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請求金額1千万円 被告は姉 体験民事裁判


by リーガルシニア
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(立証責任)生前贈与の有無が問題となったケース(3)

Ⅱ 不当利得返還請求債権
 不当利得返還請求債権が相続財産に当たるとする、東京地裁平成23年5月17日判決の
要旨を確認する。
 被相続人Aの相続税の申告を 原告Aの三男 がしたところ Aの長男Dに対する
不当利得返還請求債権が、相続財産に含まれるとして
相続税の更生処分したので、その取り消しを原告が求めた事案。
① 判決の要旨
 DはAの了承を得ず、A所有の金員を自己名義の証券口座又は預金口座に異動させて
不正に使用したものであるから、相続の開始時点において、AがDに対して不当利得返還請求
債権を有していたことが認められるとして相続財産に含まれるとした。
 原告は、D不正使用金員債権は、債務の免除又は同額の贈与を受けた旨主張した。しかし、
Dに対し、Aの実印等の管理を任せ、A所有の財産を自由に使用することを許していたとは
いえず、DがAの口座を利用して株取引することを了承していたと言えないこと。
 不正使用金の返還を求めたことは認められないものの、Aは高齢であり、Dとは親子関係に
あったことから不正使用金の返還を求めなくても不自然不合理ではない上、積極的にDによる
Aの財産の不正使用を了承する意思表示を示したことはなかった以上、不正使用の返還を
求めないことのみをもってAがDにその返還を免除し、又は当該金員を贈与したとは言えない

として原告の主張は採用できないと判示した。
② 対応策
・・・贈与者による贈与の意思表示を欠くこの事例においては、贈与は成立しないこととなる。
 原告が主張するように不正使用金の返済の免除、又は金員の贈与を受けたとする場合には、
贈与契約書の作成とその履行や、その金員の管理処分権がDにあったこと、Dが使用収益権
を確保していたことなどを明確にしておかねばならない。
また、贈与税の申告納付を通じて贈与の実績を明確にしておくことも一つの方法である。

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by legalsr | 2020-01-14 17:10 | 不法行為 | Trackback | Comments(0)